センター・部門 熱傷センター

診療内容

熱傷(やけど)には、通院のみで治療ができる場合と、生命の危険性があるために入院が必要な場合があります。成人では体表面積15%以上、小児では10%以上の熱傷では点滴とともに入院治療が必要になります。この熱傷の入院治療を担当するのが熱傷センターです。

さらに30%以上の広範囲の熱傷や、爆発事故・火災などの炎(ほのお)による深い熱傷では、重症熱傷として人工呼吸器を装着し、ICUで管理しなければならないこともあります。

熱傷が重症な場合には感染を併発しやすくなり、全身に菌が回り敗血症により死亡に至る危険が非常に高くなります。熱傷の深いところは自分の正常な皮膚の移植(自家皮膚移植)が必要ですが、広範囲の場合には利用できる皮膚が足りないために他人の皮膚の移植(同種皮膚移植)を利用しなければなりません。当センターは日本スキンバンクネットワークに所属しており同種皮膚の提供を受けています。

当センターでは、麻酔科、形成外科、眼科、整形外科、救命救急センター、リハビリテーション、栄養部、医療社会福祉部、臨床心理室の9部門のチームで治療にあたります。

また熱傷の事故防止にための啓蒙にも力を入れています。

熱傷診療実績

2022年熱傷診療実績

  • 新患患者数入院:21人
  • 外来:81人

入院患者内訳(1患者で重複する場合もあり)

広範囲熱傷4
小児熱傷2
高齢者熱傷16
気道熱傷(損傷)6
手、足の熱傷71
顔面熱傷11
外陰部、会陰部熱傷1
熱傷後肥厚性瘢痕または瘢痕拘縮0
化学熱傷(損傷)0
電撃傷0

患者さんへ一言

例年お子さまの熱傷が減りません。
親御さまがやけどをさせないように配慮するしかありませんので、最善の注意喚起をお願いいたします。

水疱(水ぶくれ)の対応脱がさないですぐに冷やす!

水疱が破れますと悪化し、治療期間が伸びて傷跡が残りやすくなり、手術が必要になることが少なくありません。着衣のままでやけどを受けてしまった場合、脱衣はしないで、まず衣服の上からシャワーなどで3分間以上冷却して下さい。驚いて最初に衣服を脱がせますと、水疱が破れて悲惨な結果になります。

熱傷は、日本熱傷学会専門医のいる当院にご相談を下さい。