専門治療
子宮動脈塞栓術(UAE)とは
子宮筋腫は
生殖年齢の婦人の4人~5人に1人(20~25%)の割合で発生する、よく耳にする病名です。悪性化(肉腫となる)する事は稀ですが、過多月経、月経困難、頻尿、貧血や不妊など、非常に症状に悩まされる疾患です。
筋腫に対する治療は
薬物療法、手術(子宮摘出、筋腫核出)が主ですが、
現在では子宮動脈塞栓術(UAE)などの低侵襲治療を行う施設も増えています。
子宮動脈塞栓術(UAE)は
主に右脚の付け根からカテーテル(2~3mm程度の太さ)をいれて、子宮動脈を選択的に兵糧攻めにする治療です。カテーテルを使用する検査/治療は当院においても多数行われ、この治療にもトレーニングを受けた医師が対応します。
興味のある方は、当院放射線科および産婦人科にお気軽にご相談ください。
Q&A
Q 治療効果を教えて下さい
症状は、8~9割程度の方で改善致します。また、筋腫の大きさは1年で半分程度になります(手術と異なり死んだ筋腫は残ります)。
Q 適応を教えて下さい
症状の強い方が適応となります。妊娠予定のない方で、(筋腫は女性ホルモンにより増大しますので)閉経前が適応となります。強い希望があれば、腺筋症の方や、筋腫が不妊の原因と考えられる方にも治療を行う場合もあります。
Q 子宮動脈塞栓術(UAE)と手術の主な違いを教えてください。放射線の被曝による危険性は?
子宮動脈塞栓術の優れた点は、子宮を残す事ができることで、お腹に傷も残りません。かつ、高い治療効果が得られること、入院期間や体調回復までの期間が短いことなどです。反対に、再発する可能性があること、症状改善が乏しい場合があること、病理学的な検査が出来ないことなどが劣る点です。また、被曝もしますが、障害が出る程の量ではありません。
(手術にも腹腔鏡、子宮鏡手術といった低侵襲な治療があります。)
Q 全身麻酔で治療するのですか?治療時間は長いのですか?
当院では静脈麻酔あるいは硬膜外麻酔のいずれかを選択可能です。意識がありますので、痛みや吐き気などの不快な症状が出現した場合には教えて下さい。
治療時間は部屋を出てから戻るまで2~3時間程度です。
Q 痛みが強いと聞いたのですが?
この治療の副作用で最もつらい症状です。
各施設にて様々な対処がなされましたが、現在では静脈麻酔や硬膜外麻酔が行なわれています。治療当日~翌日の痛みがもっとも強く、多くの方は翌日~翌々日には内服(と坐薬)のみとなります。 治療効果の現れであり、ともに協力して乗り切りたいものです。
当院では麻酔科医の協力のもとに、静脈麻酔をお勧めしています。疼痛コントロールは硬膜外麻酔に遜色ないと思われます。
Q 治療は1回で終了ですか
ほとんどの方が1回で終了しています。症状の再燃した方、一度の治療では十分な効果が得られなかった場合には複数回行う場合があります。
Q 副作用について教えて下さい
主な副作用には、痛み、塞栓後症候群(数日間、微熱、吐き気やだるさが続く)などがあり、解熱鎮痛剤の使用など、対処療法を行います。
Q 入院期間は長いのでしょうか?当日に退院できるのでしょうか?
前日午後に入院し、翌日処置後に午後手術となります。
その後は症状の具合にもよりますが治療後翌々日に退院となります(合計3泊4日予定)。
Q 費用はどのくらいかかるのでしょうか?
健康保険で対応できるようになりました。3割負担で15万円~20万円程度になります。
Q 退院後に注意する事はあるでしょうか?
日常生活は問題ありません。性交は1ヶ月程度、避けてください。
合併症として筋腫分娩(筋腫が膣から少しずつ出てくる)、子宮内膜感染(多くはありせんが、子宮摘出する場合もあります)などがあり、定期的な診察が勧められます。
お問い合わせ
〒963-8558 福島県郡山市西ノ内2-5-20
一般財団法人太田綜合病院附属太田西ノ内病院 放射線科/産婦人科
【TEL】024-925-1188(平日 8:30~17:00 / 土曜日 8:30~12:30)