診療概要
主な対象疾患
腎腫瘍、腎がん
外科切除が可能であれば、ほとんどのケースで低侵襲な腹腔鏡手術を行っています。腎外に突出している小径の腫瘍では、腎機能を温存するために腹腔鏡下腎部分切除術を選択しています。腹腔鏡手術では難度が高い腫瘍の場合には、より精密な手術操作が可能なロボット支援下腎部分切除術を行っています。
全身的な薬物治療が必要であれば、免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬、これらの併用療法など、新しい治療薬を取り入れて治療にあたっています。
前立腺がん
前立腺特異抗原(PSA)が高いなど前立腺がんが疑われる場合には、MRIでの画像検査とともに病理組織検査(前立腺針生検)を行います。
早期に発見された根治可能な前立腺がんであれば、年齢や身体状況とともにご本人の希望も考慮して、最適な治療法の選択を目指して診療しています。
当科で行っている限局性前立腺がんの根治的治療について
ロボット支援下前立腺全摘除術
開腹せずに行う内視鏡的な手術です。もともと狭い骨盤内で行う繊細な操作がしにくい手術のため、より精密な手術操作が行えるように手術支援ロボット(ダビンチXi)を使って手術を行います。この手術の執刀資格を2012年に取得した医師が手術を担当しています。
根治的放射線治療(IMRT)
限局性前立腺がんでは放射線治療も手術に劣らない成績が報告されています。当院では放射線を前立腺に集中させて周囲の線量を減らすことが可能な強度変調放射線治療(IMRT)で治療を行っています。
尿路上皮がん(腎盂がん、尿管がん、膀胱がん)
膀胱がんについて
血尿などの症状があり膀胱腫瘍が発見された場合、腫瘍切除と病理組織診断のために経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)を行います。多くのケースがこの手術で腫瘍を取りきることができますが、術後に膀胱内に再発することがあります。再発リスクが高い場合には、術後にBCGなどの治療薬での膀胱内注入療法を追加することがあります。CT等の画像所見やTUR-Btでの病理組織所見で膀胱がんが深層に浸潤していた場合には、化学療法や膀胱全摘の追加が必要になることもあります。年齢や身体状況からこのような治療が難しい場合には放射線治療を検討するケースもあります。遠隔転移を伴うケースでは全身的な化学療法を選択しますが、条件次第では免疫チェックポイント阻害剤や新規の化学療法も使用可能で、新しい治療薬も積極的に取り入れて診療を行っています。
腎盂がん・尿管がんについて
上部尿路がんでは、外科切除可能であれば腹腔鏡手術を行っています。この病理組織所見でがんが深層に浸潤していた場合には、化学療法を追加することもあります。遠隔転移を伴うケースでは全身的な化学療法を第一に選択しますが、膀胱がんと同様に条件次第では免疫チェックポイント阻害剤や新規の化学療法も選択可能で、このような新規治療薬についても副作用に注意しながら積極的に取り入れています。
この他、副腎腫瘍や精巣腫瘍、尿路結石、前立腺肥大症、精索静脈瘤など、必要に応じて様々な手術を行っていますので、お困りであればご相談ください。