感染症から身を守る取り組みについて
糖尿病者は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)含めた多くの感染症が重症化したり、感染をきっかけに死亡したりする危険性が高いことが知られています。特に、血糖管理が不十分な場合、COVID-19を含む感染症が重症化しやすくなります。
皆様が自ら感染症から身を守るための取り組みとして以下の4つが挙げられます。
- 血糖管理を改善し、免疫力を高めるための食事/運動習慣
(当センターホームページの「自己管理教育支援」を是非ご確認ください) - 三密回避
- マスク着用
- 手指衛生(20秒以上の石鹸手洗い、または手指洗浄剤使用)
我が国でも米ファイザー社製新型コロナウイルスワクチン接種が、2021年2月17日から医療従事者より始まり、4月には高齢者へも開始されています。その後も英アストラゼネカ社製(2022年9月30日接種終了)や米モデルナ社製ワクチンが承認され、米ファイザー社製および米モデルナ社製のオミクロン株に対応した2価ワクチンも使用可能になっています。上記の4つの取り組みに加えて、これらの新型コロナウイルスワクチンは皆様をさらにCOVID-19発症や重症化から守るのに役立ちます。また、オミクロン株対応ワクチンは2週間あければインフルエンザワクチンとの同時接種も可能です。
一般に、COVID-19重症化の危険性の高い糖尿病者、特にインスリン治療中、肺、心臓、腎臓疾患合併や高齢者では、ワクチン接種による利益がより大きいと考えられます。
なお、ワクチンの日本人での詳しい有効性、感染自体の予防や感染拡大を防止する効果は不明のままですので、引き続き上記の4つの身を守る取り組みの継続が必要です(ワクチン接種後も感染し、無症状のまま周囲に感染を広めてしまう可能性が残っています)。
ワクチン接種のご判断について
ワクチン接種は国と地方自治体による事業となります。
日本感染症学会ワクチン委員会の提言*のみならず、欧米の代表的なガイドライン**でも、糖尿病者にはワクチンの優先接種が推奨されていますが、注意点や副反応にはどうしても個人差があります。
【用語説明】
**ガイドライン:科学的根拠に基づき、病気の予防/診断/治療等の根拠や手順をまとめた指針
ワクチンは人類がウイルスとの戦いに勝つために手に入れた叡智の賜物でりますが、あらゆる薬剤同様にワクチン接種にもリスクがあります。予防接種を受けることができない、又は受けるに当たり注意が必要な場合など厚生労働省の説明書***もご確認の上、ワクチン接種を受けるかは、利益とリクスを適切に評価して各自でご判断することが求められています。
【参考資料】
副反応出現時の注意点について
食事が摂取できないなど体調不良時は、当センターホームページの「シックデイ時の対応」を是非ご確認ください。
なお、ワクチン接種後の副反応に関して、短期間に当科へ多数のお問い合わせや受診希望が集中した際、ワクチンを受けた医療機関様等でのご対応をお願いする場合がございます(ワクチン接種会場等でも副反応出現時の問い合わせ先をご確認ください)。
【文責】糖尿病センター 杉本 一博