リハビリ部 言語療法科

言語療法

『コミュニケーション』『食べること』のリハビリテーションを行います。

ある日突然
相手の言っていることが理解できなくなったら・・・
自分の言いたいことがうまくことばにできなくなったら・・・
舌が上手く回らずに何を言っているのか分からないと言われたら・・・
食べるときにムセて、苦しくてご飯が食べられなくなったら・・・
子どものことばが遅いと気になったり、話し方が気になったら・・・

さまざまな原因によりコミュニケーションや食べることが困難になった方や、言葉の発達や話し方が気になるお子さんに対して、ご家族などの周囲の方と協働しながら、より良いコミュニケーションの方法や安全に口から食べられる方法を考えていきます

コミュニケーションの方法は言葉で伝えるだけではありません

表情や身振り、文字を書いたり、指をさして伝えたり、人それぞれ障害の程度も違います。それらを様々な側面から評価し、その方に合ったコミュニケーション手段を一緒に考え日常で使えるように練習していきます。もちろん言語機能そのものに対してのアプローチも行っていきます。

食べることが困難になった患者さんには、飲み込みの機能を向上させるリハビリや、その方に合った食事の形態や姿勢などを考え、安全に食事を摂れるように練習していきます。

対象領域と年齢

領域

コミュニケーションの障害

成人領域:失語症、運動障害性構音障害、高次脳機能障害、嗄声や喉頭摘出、気管切開による音声障害、顔面麻痺など
小児領域:言語発達の遅れ、機能性構音障害、口唇口蓋裂による構音障害、吃音など

食べること、飲み込むことの障害

成人領域:加齢や疾患による嚥下障害
小児領域:哺乳や離乳食の摂食嚥下障害、疾患による嚥下障害

年齢

小児から成人まで

若手スタッフの、とある1日のスケジュール

08:30 STミーティング、チームミーティング

ST全体で報告事項を共有したり、チームに分かれて新患の確認・振り分け、スケジュール調整をします。

09:00 入院リハビリ

失語症や構音障害などの言語リハビリ、嚥下障害に対するリハビリなどを行います。配属される病棟によって、対象となる疾患やリハビリも変わります。

10:30 外来リハビリ

言語発達の遅れや機能性構音障害などの小児分野だけではなく、失語症などの成人分野のリハビリも行います。

12:00 食事場面の介入

嚥下障害のある患者さんの食事場面の評価・リハビリを行い、食事形態や食事方法の調整をします。リハビリ後は、主治医への現状の報告や、病棟の看護師など他職種と安全に食べられる方法について共有します。

13:00 昼休憩

14:00 病棟カンファレンス

15:00 嚥下内視鏡検査(VE)、嚥下造影検査(VF)

週に1回、耳鼻科医師や歯科医師と協力してVEやVFを行い、患者さんの嚥下機能を評価しています。

VFを行う部屋と機材

16:30 書類業務

計画書や評価表など、リハビリに関する書類を作成します。

17:00 終業

教育体制

当院では経験豊富なスタッフが中心になり、組織的な新人教育を行っています。新人職員や若手スタッフが、独立して臨床業務を行えるようにサポートいたします。

入職後の教育体制の概要

法人研修(新人職員全体研修)

法人全体の新人職員スタッフの交流の場であり、「法人に関すること、社会人として・太田綜合病院の職員としての心構え」など、多くのことを学びます。

新人職員(PT、OT、ST)合同教育研修(西ノ内病院・熱海病院)

「リハビリテーションセンターのミッション・ビジョン、リハビリに関する診療報酬制度」など、臨床現場に出る前に必要な事柄について学びます。また、この期間は各領域のチームを見学し、先輩スタッフや患者さまとのコミュニケーションを図り、日常業務や各病棟の雰囲気を感じてもらいます。

言語療法科の教育体制   

各チームの見学(太田西ノ内病院にて)

言語療法科はA棟チーム、本館チーム、外来チームの3つに分かれています。 自分が所属する予定のチームを中心に、1~2週間程度各チームの見学し具体的な業務内容を知ってもらいます。また系列の太田熱海病院の言語療法科にも3日程度見学研修に行きます。

A棟チーム

循環器領域、呼吸器領域、脳血管領域、血液内科領域、リウマチ科領域

本館チーム

整形外科領域、小児科領域、外科領域、内科領域、麻酔科領域、糖尿病内科領域

外来チーム

言語発達遅滞、構音障害、吃音、失語症、音声障害、顔面神経麻痺など

実際に患者さんを担当

4月後半~5月頃に患者さんのリハビリを担当するようになります。最初は1~2名から担当し、教育担当のスタッフと相談しながら少しずつ担当患者さんを増やしていきます。その後は、以下のような教育体制で業務を進めていきます。

プリセプター制度

新入職員に対して教育担当(プリセプター)のスタッフが1名つきます。日々の臨床内容や業務の不安など、相談しやすい体制を取っています。

キャリアラダー制度

当院STとして求められる経験やスキルを1年目~5年目まで経験年数に合わせて設定し、それらを達成できるように取り組んでいきます。
新入職員は、「臨床」「事務的な業務」「スタッフ間のコミュニケーション」の3項目について各週の目標があり、プリセプターと一緒に目標を確認しながら業務を進めます。

勉強会・学会参加

月に2回、文献抄読や症例検討などの勉強会を行っています。またスタッフが希望する学会や研修会に出張で参加できるようにし、参加した内容についても勉強会で共有しています。また年に1回、系列施設の太田熱海病院との合同勉強会で症例検討も行っております。

学術活動

学会発表や講師活動など、学術活動を希望するスタッフを後押しします。経験が少ないうちは、他のスタッフと相談しながら、発表内容を作成していくこともできます。

学術活動

2018~2022年の学術活動