太田西ノ内病院 栄養部
日本人の平均寿命は年々延びてきています。健康で長生きし、それぞれのQOLを高めていくことを目指し、平成12年2月「健康日本21」が策定されました。今後10年間に国民が到達すべき健康状態の目標を数値で表したものです。食事については、健康を増進し生活習慣病を予防して、健康寿命を延長することが目標とされています。
1.摂取エネルギー量
肥満せず標準体重を維持する程度にします。1日の必要エネルギー量は次の計 算式で求めることができます。
標準体重(s)=標準体重=身長(m)×身長(m)×22
1日の必要 エネルギー量 |
= 標準体重 × | 生活活動強度にみあった体重1s当たりの 必要エネルギー量(以下の表参照) |
低い | 1日1時間程度の歩行と、軽作業で立つ以外はほとんど座っている | 25〜30kcal |
適度 | 1日1時間以上の速歩や比較的身体を強く動かしている場合や、大部分立ち仕事をしている場合 | 30〜35kcal |
高い | 1日1時間程度は激しいトレーニングや農繁期の仕事、林業、漁業など | 35〜40kcal |
2.脂肪エネルギー量と質
総エネルギー量の20〜25%が望ましいとされています。最近は若年成人(20〜40歳代)で27.1%と摂りすぎになっています。
質に対しての比率は、動物性:植物性:魚類 = 4:5:1が望ましい。
3.カリウム、食物繊維、抗酸化ビタミン(ビタミンC、ビタミンE、β−カロチン)を多く摂る。
これらの事を毎日の食事に生かし栄養素の偏りがないようにするためには、できるだけ多種類(30品目)の食品を摂るのがよいといわれています。バランスよく食べるために、日本の食事形態である「一汁三菜」の形が評価されています。
1.食事の組み合わせ
2.主食・・・ご飯、パン、麺などの穀物。パン、麺の時も副菜をつけるようにしましょう。
3.汁・・・副菜で摂りきれない野菜、芋類、海草など。うす味にしましょう。
4.三菜
○主菜・・・肉、魚、卵、豆腐などのたんぱく質食品の中から1回に1品。
○副菜・・・野菜、芋類、海草、きのこ、大豆製品などでつくる料理。
ビタミン、ミネラル、食物繊維の摂取源。
5.汁・・・果物、牛乳(乳製品)もとりましょう。
ビタミン、カルシュウムなどが多い食品です。
ここ数年生活環境の変化により、家庭の食生活状況が多様化しています。それに伴い欠食、個食、遅食などが社会現象として問題視されるようになりました。長寿は普段の生活の積み重ねの結果であり、充実した人生を送るためには、毎日の食事が”おいしい”、”たのしい”という満足感を持てるような工夫をすることも大切です。
※食事に関して何かご質問などございましたら、太田綜合病院の医師、管理栄養士にご相談下さい。
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