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交通事故に遭ったら

太田西ノ内病院 麻酔科

 あなたがどんなに注意しても、飲酒運転や居眠り運転の車に突っ込まれるかもしれません。これが交通事故の怖さです。万一の時に皆さんを守ってくれるのが「乗員拘束装置」、即ちシートベルトやチャイルドシートです。
 私達の救命救急センターには毎年3000台以上の救急車が来ますが、そのうち車に乗車中に事故に遭った患者さんの重傷度を調べました。シートベルトやチャイルドシートを使っていた患者さん(「拘束装置あり」)と使っていなかった患者さん(「拘束装置なし」)の重傷度を比較すると、「拘束装置あり」の平均重傷度は「軽症〜中等症」だったのに対し、「拘束装置なし」の平均重傷度は「重症」で、全治1ヶ月以上でした。「拘束装置なし」では「拘束装置あり」に比べ、死亡率は4倍も高く、頭、頚、胸、腹のどの重傷度も2倍以上高いことがわかりました。自分の車にはエアバッグがあるからシートベルトはいらない、と考えているあなた、それは間違いです。エアバッグが開いたのにシートベルトをしていなかったために、内臓破裂や車外に放出され亡くなった方は少なくありません。また、後席では法律上シートベルトをしなくてもいいようですが、後席も決して安全ではありません!私たちのデータでは頭部の重傷度はどの席でも変わらないのです。先日もシートベルトをせずに後席に乗車中、正面衝突し脳出血を負った患者さんを治療しましたが、その運転手さんはシートベルトのおかげで無傷でした。親はシートベルトをしているのに子供を後部席にチャイルドシートなしで乗せた場合、子供だけが首を折ったり、脳出血する例も経験しました。子供は必ずチャイルドシートに座らせて下さい。もちろん大人のあなたは、必ずシートベルトを締めて下さい。そう、後ろの席に乗る時にも!
 それでも運悪く交通事故に遭って瀕死の重傷を負ってしまったら・・・私達が何とかしましょう。24時間いつでも、どんな手術にも対応いたします。

 
 

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