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産婦人科における不正性器出血

太田西ノ内病院 産婦人科

 性器出血は月経と不正性器出血に分けられます。したがって、月経以外の出血はすべて不正性器出血ということになります。不正性器出血は、(1)機能性出血、(2)器質性出血に分けられます。

(1)機能性出血

炎症、腫瘍、外傷、妊娠、その他に起因する器質性出血および月経を除く内分泌異常に起因した子宮内膜からの不正出血を指します。その病態は幼年期、思春期、性成熟期、更年期、老年期と年代によっても異なり、治療法も異なります。

(2)器質性出血

器質性出血は以下の疾患に起因する不正出血を指します。
 @炎  症  性:子宮内膜炎、膣部びらん、子宮頸管炎、老人性膣炎、外陰潰瘍
 A腫  瘍  性:悪性〜子宮頸癌、子宮体癌、絨毛癌、膣癌、外陰癌、子宮肉腫
良性〜子宮筋腫、子宮腺筋症、頸管ポリープ、内膜ポリープ
 B外  傷  性:子宮破裂、子宮穿孔、頸管裂傷、膣裂傷、会陰裂傷、外陰裂傷
 C妊  娠  性:流産、早産、子宮外妊娠、前置胎盤、常位胎盤早期剥離
その他、分娩時における異常な出血
 D出血性素因:血小板減少性紫斑病、白血病

 不正性器出血は産婦人科外来でも、最も頻度の高い訴えの一つであります。的確な診断、適切な治療を行えばすぐに治癒しますが、放置すると貧血などその他の疾患を引き起こす原因になります。特に悪性疾患の場合、発見が遅れると治療が困難になります。そのためには早期診断、早期治療が大切です。
ご心配なことがあれば産婦人科外来にご相談下さい。

 
 

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