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白内障の治療

太田西ノ内病院 眼科

白内障は、虹彩(茶色目)の後ろにある水晶体(黒目)が濁るために、視力が低下する病気です。

 治療としては、1:点眼薬、2:内服薬、3:手術等があります。しかし、1、2の方法では一旦濁ってしまった水晶体を元通り透明にすることはできず、白内障の進行を僅かに食い止める働きしかありません。そこで、日常生活で見え方に不便を感じるようになったら手術を考える事になります。(眼鏡、コンタクトレンズの装用で見え方に不自由を感じなければ急いで手術を受ける必要はありません。)
 手術の方法は、水晶体嚢という袋に包まれている濁った水晶体を取り出して、代わりに人工水晶体(眼内レンズ)を袋のなかに入れる手術が一般的です。水晶体を取り出す方法として、「超音波乳化吸引術」(水晶体を細かく砕きながら眼外に吸い出す術式)がほとんどの患者さんに行われています
 この手術方法を少し詳しく説明します。麻酔は眼の表面にだけ行いますので、麻酔の注射の痛みはほとんど感じません。まず、水晶体嚢の前面を円形にくりぬきます。次に、手術の機械を約3mmの創口から眼内に挿入し濁った水晶体を細かく砕いて吸い出します。その後、袋の内側にへばり付いている濁りを綺麗に吸い取り、透明になった袋のなかに人工水晶体をはめ込むという方法です。手術は10分ほどで終了します。もちろん手術中に痛みを感じることもほとんどありません。
 小さい傷口から手術を行うことで、手術を受ける患者さんは短期間の入院で治療が可能となりました。また、入院せずに日帰りで手術を受けることもできます。手術の翌日には眼帯をはずしていただいて、軽い作業であれば早期に仕事に復帰することもできます。
 当科では、網膜硝子体手術、緑内障の手術なども行っておりますので、患者さんによってはこれらの手術と同時に白内障手術を施行することも可能です。

 
 

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