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声帯ポリープ

太田西ノ内病院 耳鼻咽喉科

「2週間前から声がかすれて困っています・・・」

声帯ポリープとは。

 かぜや声帯の使いすぎ(カラオケ・大声での声援など)をきっかけにして始まる声がれには、ポリープができていることがあります。初めは炎症が主ですが声がれが2週間以上続く場合にはポリープなどの病気を考えたほうが良いでしょう。

〈検査〉

喉頭ファイバースコープ:鼻腔から入れて咽頭・喉頭を観察します。胃カメラに比べてのざえ・圧迫感も少なく短時間(数分)で終わります。発声に関わる喉頭全体、声帯を観察します。
通常は見た目でポリープかそれ以外のものかどうかはある程度は判断がつきますが、場合によっては非常に癌などの腫瘍とまぎらわしいこともあります。その際には摘出術を行って病理診断をつけることになります。
ポリープと鑑別が必要なものに下記があります

〈鑑別疾患〉

声帯結節:声帯の慢性的な使いすぎでできる胼胝(たこ)のようなもの。両側性。
ポリープ様声帯:声帯全体がポリープ様にむくんだ状態。女性に多く、喫煙・飲酒の影響が大きい。
声帯のう胞:良性腫瘍のひとつ。声がれが強く出る。
喉頭肉芽腫:声がれの程度はひどくない。挿管による全身麻酔後など、喉頭への刺激が原因と
なることあり。
喉頭がん《喉頭がん》の項を参照。ポリープに比べ表面が不整のことが多い。

〈治療〉

@保存的治療:声を使わない(沈黙)、吸入、抗炎症薬の内服など
A外科的手術:喉頭直達鏡によるポリープ切除

保存的治療で改善する場合もありますが、肉眼的にはポリープのように見えていても、切除して病理検査を行うと癌である場合もあり、発癌リスク(中年以降であること、喫煙・飲酒など)がある場合には積極的に切除することをお勧めします。

★実際にポリープであるかどうか、癌が疑われるかどうかは診察を受けてみないと分かりません。2週間以上続く声がれは放置せずに専門医を受診してみてください。

 
 

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