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医学小知識

風邪と前庭神経炎

太田西ノ内病院 耳鼻咽喉科

「風邪を引いた後から回転性めまいが出現、聴力低下や耳鳴りはないんだけど・・・」

前庭神経炎とは。

《めまいと耳鳴り》の項目でも少し触れましたが前庭神経炎は内耳と呼ばれる部分の中でも前庭機能(バランスを保つ機能)の障害によって起きます。三半規管から連なる前庭神経がダメージを受けると回転性のめまいを感じることになります。この場合通常は聴力低下や耳閉感、耳鳴りなどの症状は伴わず、めまい・吐き気・ふらつきが主な症状となります。
原因として明らかなものがなく発症しますが、1週間から10日前にウィルス感染が先行している例があります。一般的に風邪症候群と言われるものはウィルス感染が関連して起きる咽頭痛・発熱・倦怠感などを指しますので前庭神経炎には風邪が先行しやすいと言うことです。
ただし、ウィルス抗体価の上昇など血液検査で風邪を証明できる症例は少ないのが実際です。治療については通常の末梢性眩暈症と同様に安静と内服(抗めまい剤・循環改善剤・抗不安剤など)および軽い運動・リハビリテーション(軽快期)です。症状は徐々に軽くなっていきますが頭重感などはしばらく持続する場合があります。通常繰り返すことはありませんが比較的長くふらつき・不安定感が続くこともあります。

★風邪を引いた後から回転性のめまいが出現、聴力低下や耳鳴りがない場合には前庭神経炎を疑って耳鼻咽喉科を受診してみてください。

 
 

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