太田熱海病院 耳鼻咽喉科
最近、高齢者社会になってきたこともあり、難聴者への補聴器の必要性が注目されてきています。難聴は、コミュニケーションに障害をきたすばかりか、危険回避にも影響を及ぼします。また、コミュニケーションは意思の疎通だけでなく生活の質を高める上でも重要ですので、難聴、補聴器について簡単に説明します。聞えの異常を難聴といいますが、その障害された部位によって伝音性難聴と感音性難聴とに分類されています。また、両方にまたがるものを混合性難聴と言います。伝音性難聴は外耳から中耳にかけての伝音系の障害による難聴です。原因は、外耳道の狭窄や閉鎖、中耳炎、耳小骨連鎖の異常などです。感音性難聴は内耳の神経細胞の変性や内リンパ液の変化、聴神経、聴覚中枢経路の障害などで起きてきます。難聴を考える上で、その程度、性質、原因、障害部位を明らかにすることが重要です。それには、外耳、鼓膜の観察のほかに音の聞えを調べる純音聴力検査、ことばの聞えをみる語音聴力検査が必要になります。それらの結果、治療で治らない難聴に補聴器の適応が出てきます。補聴器は音を大きくして難聴者に聞かせる機械ですが種類がいろいろあります。形で分類すると代表的なものは、箱形補聴器、耳掛け形補聴器、眼鏡形補聴器、挿耳形補聴器などです。回路構成から分類すると、アナログ補聴器、プログラマブル補聴器、デジタル補聴器に分類されます。実際にどの補聴器を選択するかは難聴者の難聴の状態だけではなく体の状態、生活、環境などいろいろの要素を考える必要があります。
当科では補聴器外来を月に2回行っており聴覚管理を含め補聴器の適合、指導、経過観察しています。
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