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骨粗鬆症って

太田西ノ内病院 整形外科

 我々は加齢に伴い運動機能が低下してきます。それと同時に骨の強さも弱くなり、骨折をおこし易くなってしまいます。この骨折をおこし易い状態が問題なのです。この骨折をおこし易い状態になっていることを骨粗鬆症と呼んでいます。定義では(骨量が若年健康成人の70%未満)の状態を骨粗鬆症と呼んでいます。骨粗鬆症には加齢に伴ってなるものと、なんらかの病気や薬などによってなるものと2つがあります。
 問題なのは骨折であり、骨折をおこさなければいいわけです。では、どうすれば骨折をおこさなくてすむのでしょうか。一番は転倒しないことです。骨折の大多数は転倒などの外力が加わったときに生じます。極端な話、骨粗鬆症の人でも運動神経が20代であれば、転倒することも少なく骨折をおこす危険性もぐっと減ります。しかし現実において骨粗鬆症の人は、運動機能もかなり低下していることが予想され、転倒し易くなっています。では、どうすれば。やはり、生活環境を整えてあげるのが大切だと思います。自宅内で転倒する人のほとんどが、布団から立ち上がろうとした時、トイレやお風呂の時、ちょっとした段差や玄関にて転倒しています。これを予防するために、ベッドを使うようにしたり、トイレ、廊下、お風呂や玄関に手すりをつけたり、段差をなくすような工夫をしたりすることが必要になってくると思います。もちろん、転倒しないように気をつけ、筋力維持、平行バランス感覚維持に努めることも大事です。
 しかし、転倒しなくても骨折をおこすところがあります。それは背骨です。背骨(脊椎)は骨粗鬆症が進行すると、転倒しなくても骨折をおこすので気をつけなければなりません。もちろん転倒すれば大きな骨折を生じ、疼痛のために歩行困難になることもあります。
 現在、骨粗鬆症に関しては、色々研究がなされ、診断、治療も進みつつあります。骨の病的老化から身を守るために、一度医療機関におかかりになり、自分にあった治療法をみつけていただきたいと思います。

 
 

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