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医学小知識

脱毛症

皮膚科

 日本人の頭皮には約10〜11万本の毛髪が認められ、全ての毛髪は、伸び続ける成長期(毎日0.3〜0.4o伸びる。3〜7年といわれている)、成長がとまり毛包が短くなる萎縮期(2〜3週間)、萎縮毛包が休息し毛の再生に備えている休止期(約3ヶ月)からなる毛周期(約4〜5年)によって生え変わる。1日に生理的に抜ける毛髪は100本ほどといわれており、これを越えて毛が抜ける場合、頭の毛がうすくなる。
 脱毛症には様々なタイプがあるが、ここでは一般的な4タイプについて記す。

1.円形脱毛症

 自覚症状や先行病変を欠き、頭部に円形の脱毛巣が出現するもので、以前より精神的ストレスが強く関与しているといわれてきた。実際に密接な関係が実証されつつあるのだが、一方現在では自己免疫異常によるもの(自分の毛包を自分で攻撃することによる脱毛)との説も注目されてきている。治療としては、自然治癒が期待されることもあるが、難治で重症なものに対してはステロイドの全身投与を考慮し、中等度〜軽症例に対しては局所冷却療法、紫外線照射(PUVA治療)、ステロイド外用、セファランチンやグリチルリチン内服などを施行することが多い。

2.抜毛症

 自分自身で衝動的に頭髪、眉毛を引き抜くことによって生じる脱毛症で、小児期〜学童期に多
く、ストレス、不満、人にかばってもらいたいとの意識などが毛を抜く行為となって出現したといわれている。それゆえ治療には、小児精神科的なアプローチが必要となる。

3.膠原病に伴う脱毛

 膠原病(SLE、全身性強皮症、皮膚筋炎、限局性強皮症など)に伴う脱毛であり難治である。

4.感染症による脱毛症

 梅毒、頭部への真菌感染などによる脱毛で治療はその感染症自体に対する治療をすみやかに実施することである。

 
 

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