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やけどをした時

太田西ノ内病院 形成外科

 子供のやけどは何とか避けたいものです。やけどは寒い季節だけに起きるとは限りません。子供のやけどの2大原因はポットのお湯と、浴槽への転落です。子供の手の届きやすい床などに置いたポットのお湯によるやけどは後を絶ちません。また浴槽の暖かいフタの上で遊んでいて、フタがはずれ転落してしまう事故は重体のやけどになってしまいます。
 やけどをしてしまった場合にはまずしっかり冷やすことが大切です。受傷直後に十分に冷やすことができたかどうかで、その後のやけどの深さはまったく変わってきます。氷水を入れたビニール袋や、冷たい濡れタオルなどで30分間以上冷却する必要があります。私は炎症と痛みを抑えるために24時間以上の冷却をお勧めしております。
 次に水ぶくれを絶対に破らないことも非常に大切です。水ぶくれが破れればやけどは深くなります。特に衣服の上から熱湯を浴びてしまった場合には、あわててすぐに衣服を脱がせないことです。衣服を脱がせる前に衣服の上から水道水で10分間以上冷却してから、水ぶくれを破らないようにゆっくりと脱衣させて下さい。
 また民間療法や市販薬の使用によりやけどを悪化させることがありますので、使用は避けるべきです。冷却をしながら、できるだけ早く皮膚科や形成外科を受診するのが最良です。やけどの範囲が10%以上を超えたり、ノドのやけど(気道熱傷)を受けたときには、入院が必要になります。湯たんぽやアンカによるやけどは低温やけどと言われ、痛みが少ないものの深いやけどの典型です。
 最後になりますが、焼身自殺によるやけどは実に悲惨です。ご本人は想像を絶する肉体的精神的苦痛を味わいますし、残されたご家族の治療費の負担額は相当なものです。幸運に救命された場合でも、やけど自体が深いために、その後の傷跡の引きつれや、容貌の変わり様は悲惨そのものです。

 
 

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