太田西ノ内病院 リウマチ科
エリテマトーデスとは膠原病の1つで、若い女性に多くみられます。エリテマトーデスという言葉は、皮膚の赤い斑点(紅斑)のことです。症状が紅斑だけのことは少なく、多くの場合は発熱、関節痛、鼻、口の潰瘍、日光過敏、貧血、蛋白尿などの全身症状がみられます。この病状を全身性エリテマトーデス(SLE)といいます。血液の中に抗核抗体、抗DNA抗体などの自己抗体がみられるので自己免疫病とも呼ばれます。自己抗体や自己抗体が体の中の抗原と反応してできた免疫複合体が皮膚や、腎臓、血管などに沈着して病気が起こります。
症状としては、ほかに脱毛、指の色が白や紫になる、首のリンパ節が腫れる、胸痛、腎障害、肝障害、脳の障害、静脈血栓、腸潰瘍、流産など、多彩です。
診断するには、症状のほかに抗核抗体、白血球や血小板の減少、抗dsDNA抗体、抗Sm抗
体、低補体価、尿蛋白陽性、尿赤血球沈査陽性などの検査所見が参考になります。正常の若い女性では抗核抗体が20%近く陽性になるので、この抗体が陽性だからSLEだとはいえません。尿蛋白が多い時、けいれんや精神症状がでる場合、呼吸困難や肺出血がある時などは強力な治療が必要になります。妊娠すると病気が悪くなることがあり、流産もし易いので、病気が安定してからの妊娠が必要です。
治療法はステロイド薬を使います。効果がない時には免疫抑制薬を使います。どちらの薬にも副作用があるので薬の使い方に慣れ、副作用もよくわかる専門医にみてもらうことが大切です。ステロイド薬の副作用として顔が丸くなったり、糖尿病や骨粗しょう症が起こったりしますが、副作用を恐れるあまり、ステロイド薬を十分に使わないと生命の予後が悪いことがわかっています。
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