太田西ノ内病院 リウマチ科
シェーグレン症候群は外分泌腺の慢性炎症を起こす自己免疫疾患の1つで、主に涙腺、唾液腺の障害による眼、口腔の乾燥症状を起こします。90%以上は女性で、40〜50歳に多い病気です。具体的には眼の異物感、痛み・充血、目やにの増加、熱感、唾液の減少による口渇、舌の荒れと痛みがあり、食事の時に多量の水分を必要としたり、パンやビスケットなど乾燥したものが食べにくくなる、虫歯が増え、口角炎や舌の亀裂を生じるなどがあります。他に鼻の乾燥、気管支炎、耳下腺、顎下腺の腫脹、痛み、慢性膵炎、皮膚の乾燥、腟の分泌低下による腟炎を生じることもあ
り、全身症状として発熱、レイノー現象(寒冷で指が白くなる)、皮疹、関節痛、リンパ節の腫れ、筋肉痛、神経障害(しびれ感)がみられることもあります。他の自己免疫疾患の合併もあり関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎、橋本病、原発性胆汁性肝硬変、特発性血小板減少性紫斑病などが知られています。治療は合併症のある場合はその疾患の治療を、またない場合は乾燥症状にたいして対症的に人工唾液、人工涙液の投与が行われます。最近唾液分泌を誘発する塩酸セビメリンが発売され、経口薬として使用されています。
以上の症状に思い当たるかたは:
眼科にて涙液分泌能の検査、乾燥性角結膜炎の有無の確認、耳鼻科にて唾液腺分泌能の検
査、唾液腺造影や唾液腺生検、リウマチ科にて免疫学的検査(血液検査)を行いシェーグレン症候群の有無、他の自己免疫疾患の有無を検査してみてください。
一般財団法人 太田綜合病院 Copyright © Ohta General Hospital All rights reserved .