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レイノー現象とは

太田西ノ内病院 リウマチ科

【はじめに】

 レイノー現象とは寒冷刺激や精神的緊張などによって誘発される血管れん縮による手指などの皮膚の色調変化であり、典型的には蒼白、紫色、発赤の順に3相性の色調変化を認めます。さまざまな全身疾患の症状として認められることが多いため専門医の受診が勧められます。

【症状の特徴】

 部位は手指末端(特に第2〜5指)におこることが多いが、足、耳、鼻、舌、口唇にも起こり、対称、非対称のいずれにもあり得ます。寒冷刺激や精神的緊張を受けると手指の小動脈のれん縮が起き、血流が途絶するため手指が蒼白となります(第1相)。この時指先のしびれ、冷感、疼痛、知覚低下など自覚症状がでます。数分後にはチアノーゼとなり、皮膚の色は紫色となります(第2相)。次いで、低酸素により、血管が反応性に拡張するため、皮膚の色は赤色を呈し(第3相)、やがて正常に戻ります。この過程は数分から数10分持続します。第2相または第3相のいずれかを欠く場合もあります。

【レイノー現象をきたす基礎疾患】

1.レイノー病 明らかな基礎疾患が認められず、レイノー現象のみを認める場合。
若年女性に多いが、経過を観察するうちに強皮症と診断される症例もあり定期的な診察検査が必要です。
2.膠原病 レイノー現象を訴える患者の30〜60%を占めます。強皮症で高率、混合性結合組織病で殆ど、全身性エリテマトーデスの18〜44%、多発性筋炎・皮膚筋炎の10〜20%、他に関節リウマチ、シェーグレン症候群、血管炎症候群など(<10%)に見られます。
3.閉塞性血管疾患 バージャー病、閉塞性動脈硬化症、胸廓出口症候群、クリオグロブリン血症、マクログロブリン血症など。
4.職業性 振動工具病(チェーンソー)、タイピスト、キーパンチャーなど。
5.薬剤・化学物質 塩化ビニールモノマーを扱う労働者に報告されています。薬剤では麦角アルカロイド、βブロッカー、ある種の抗癌剤の副作用として報告されています。

※レイノー現象の自覚のある方は太田西ノ内病院リウマチ外来でご相談ください。

 
 

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