太田西ノ内病院 リウマチ科
リウマチとは一般に関節や筋肉が痛む病気のことです。広い意味では結合組織・血管病変のことですが、狭い意味では関節リウマチのことをいいます。関節が痛む病気に関節リウマチ、変形性関節症、痛風などがあります。筋肉痛の病気として多発性筋炎、リウマチ性多発筋痛症、血管炎などがあります。痛まないリウマチもあり、皮膚に来る病気に全身性エリテマトーデス、強皮症、ベェーチェット病、血管炎があります。そのほか、腎臓、肺、脳、動脈、静脈、神経など全身の臓器や組織がおかされます。不明熱としてどこに病気があるかわからないこともあり、高熱を出す病気に全身性エリテマトーデス、血管炎、皮膚筋炎、成人スチル病などがあります。全身に多彩な症状が出るので鑑別診断が大切であり、しばしば診断が困難なことがあります。
リウマチには炎症性疾患が多いので、まずCRPと赤沈、白血球、血小板数を調べて炎症性と非炎症性との区別をします。診断の助けとなる自己抗体があるのでリウマトイド因子(RF)、抗CCP抗体、抗核抗体(ANA)、抗好中球細胞質抗体(ANCA)を調べます。尿酸(痛風)、クレアチンキナーゼ(CK、筋炎)、尿所見も診断上大切です。RFは慢性肝炎や慢性気管支炎にも、またANAは若年女子にも陽性になるので、自己抗体に頼り過ぎるのはよくありません。
痛みに対しては非ステロイド抗炎症薬(NSAID)を使います。症状や炎症所見が強いときにはステロイド薬を使います。ステロイド薬の効果が不十分なときや副作用で使えないときには免疫抑制薬を使います。ステロイド薬や免疫抑制薬には副作用が多いので、その選択は慎重にします。関節リウマチにはステロイド薬をできるだけ使わないで、リウマトレックスなどの抗リウマチ薬を使います。
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