太田西ノ内病院 小児科
おとなにくらべて子どもの「がん」の発生の度合いは少ないとはいいながら、「小児がん」は子どもたちにとってやはり大きな脅威です。 3歳以上の子どもの死亡原因を見ると、「がん」が事故に次いで常に第2位の座を占めています。しかし幸いなことに、「小児がん」は化学療法(抗がん剤を用いておこなう薬物療法のこと)にきわめて高い感受性を持っており、また、外科的治療、放射線療法、化学療法の進歩により、「小児がん」と診断された子どもたちの6割は病気に打ち勝って生存できるような時代になりました。
小児期で一番多く見られる悪性腫瘍は白血病です。2番目は神経芽細胞腫、3番目は網膜芽細胞腫、4番目はウイルムス腫瘍(腎臓の癌)で、後は頻度がずっと少なくなり肝芽腫などが続きます。
白血病は早期より貧血、出血傾向、発熱など目立つ症状が出る事が多く、比較的発見されやすい病気です。その他のがんはそれぞれの種類により様々な症状がみられます。いずれにしても、小児がんを除く子供の病気の多くは数週の経過で良くなるものが大部分ですので、数週、数ヶ月を経ても改善しなく(様々な治療を受けても)悪化の傾向を示す発熱、貧血、体の腫れなどは一度小児がんを考慮に入れた診察を受けることをおすすめします。
下記のようなことが一項目でもつづけば、小児科医や小児外科医に相談してください。
1)おなかが大きい。しこりがある。
2)体の表面から触れる大小のしこり。
3)眼球突出や顔の変形。
4)朝方の吐き気をともなう頭痛。
5)ころびやすい、走れない、腰痛、しびれなどの神経症状。
6)骨や関節の痛みや腫れ。
7)不明の発熱、なかなか治らない風邪。
8)鼻血や皮膚の紫斑などの出血傾向。
9)疲れやすさや、すぐれない皮膚の色、体重の減少。
10)光る眼、白っぽい眼
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