TOP>医学小知識>自閉症かな?〜小児のことばの遅れについて〜
太田西ノ内病院 小児科
ことばは人間が相互にコミュニケーションをはかるうえで重要なものです。子どもさんにことばの遅れがあると、家族の方は知恵おくれではないか、自閉症ではないかと心配されます。ここでは「ことばの遅れ」と「自閉症」についてお話をします。
ことばの遅れをひき起こす原因疾患として主なものに、発達性言語障害、精神遅滞、自閉症、難聴があります。発達性言語障害とは知能が正常範囲なのにことばの発達が遅れ、しかし後には追いついてほぼ正常になるものをさします。ことばの理解も遅れる場合には、成長と共に多動、注意集中困難、学習障害などを示してくる場合があります。精神遅滞の場合、ことば以外の広汎な発達の遅れも見られます。難聴は高度だと気付かれやすいのですが、高音部のみの聴力障害は幼児では発見されにくいようです。これらの疾患以外に、不適切な環境が原因のことばの遅れもありますが、かなりまれなものです。
自閉症は、現在では、おそらく生まれる前から起きている脳そのものの病気と考えられ、@コミュニケーション障害 A社会性の障害 B活動・興味の限局性の3つに大別される症状を持ちますが重症度は千差万別です。 ことばの遅れは、ことば以外での意志伝達の異常や、ごっこ遊びの欠如などと共に@の一症状と考えることができます。ちなみにAは、他の人への関心のなさ、物まねの障害、社会的遊びの異常などの形で、Bは常同的運動、対象物への固執などの形で現れます。症状の組み合わせで診断するために、3歳未満では診断確定が困難であることが多く、この時期は生活指導のもとに経過をみます。 個別の指導、集団保育や就学などは、個々の症状、年齢、重症度に合わせて検討します。
小児科では自閉症をはじめ、発達の遅れの心配な子どもさんの診察を専門におこなう外来(予約も可能)を設けております。
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