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発作性頻拍症とその新しい治療法

太田西ノ内病院 循環器科

 別に運動したわけでも、好きな人が目の前にいるわけでもない、驚いたわけでも、熱が出てるわけでもないのに急に胸の鼓動が速くドキドキと自覚する。そんなことはありませんか。その時はとてもつらいのに治まってしまうと何ともなくなる。病院を受診しても治まった後では問題ないと言われてしまう。その様な方は発作性頻拍症である可能性があります。その診断には発作が起きている時の心電図を記録する事が必要です。原因としては心房の一部から異常興奮が頻回に出現する心房頻拍、心室の一部から異常興奮が頻回に出現する心室頻拍、心房が痙攣する心房細動、房室結節の廻りを興奮が旋回する房室結節性回帰頻拍、副伝導路が存在するために生ずる房室回帰頻拍などがあります。多くの場合、外来で薬剤の静脈注射をすることにより停止させることが可能です。もしも、動悸がなかなか治まらない場合、病院で心電図を記録してもらいましょう。当院では、循環器専門の当直医が24時間待機しておりますので深夜でも対応致しております。
 最近、この様な発作性頻拍症に対して高周波カテーテルアブレーションという根治療法が行われるようになりました。これは入院して行う治療法ですが、心臓カテーテル検査法と同様の手技を用いて心臓の内部で心電図を記録します。そして人工的に頻拍(動悸発作)を誘発し、頻拍の原因を突き止め、その原因となっている部位を高周波電流を用いて焼灼することにより、不整脈を根治します。当院でも1996年よりこの治療を開始し、発作性上室性頻拍症(心房頻拍、房室回帰頻拍、房室結節性回帰頻拍)の場合、95%以上の患者さんが、もう薬も、外来通院も不要になっております。発作性の動悸で悩んでいる方は一度ご相談ください。

 
 

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