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狭心症

太田西ノ内病院 循環器科

 心臓は全身に血液を送り出す重要な臓器であるが、拍動を続けるためには、送り出した血液の中で一部が心臓自身に戻ってくる(灌流する)必要がある。心臓自身を養う血管は冠(状)動脈と名づけられ、大きく3本の血管で構成されている。灌流する血液としては心臓として必要とする量(需要)と冠動脈が送り出せる量(供給)のバランスが非常に重要になってくる。そのバランスの破綻が狭心症という病気であり、心筋梗塞(心筋のダメージが高度に進み、壊死した状態)と共に虚血性心疾患というジャンルに分類される。
 狭心症のタイプとしては大きく二つに分けられ、@高度の動脈硬化を有し、冠動脈内に狭窄(狭い)病変を有するタイプ=労作時狭心症:労作時に苦しくなる A狭窄病変は認めないが、ある種の刺激で痙攣を生じて、一時的に狭くなるタイプ=冠攣縮性狭心症:朝方、寒いところ等で苦しくなる。
 診断としては胸痛等の自覚症状が非常に大事であるが、他覚所見としては心電図変化が特に重要である。ただ狭心症の発作は一般的に数分程度であることが多く、病院到着時の心電図では明らかな変化を認めないことが多い。そのために更なる検査の追加を必要とすることが多く、外来で施行できる検査としては@負荷心電図 A心臓超音波(心エコー) B24時間心電図 C核医学(負荷心筋シンチ)等がある。まだ可逆的(元に回復する)状態である狭心症の時期に発見及び加療をすることが重要であり、心筋梗塞の発症を未然に防ぐことを目的としている。明確に診断確定を行うには、現在のところ心臓カテーテル及び冠動脈造影を行い、冠動脈の一本、一本の狭窄度を確認することを要する。この検査は2,3日の入院が必要で、確かに危険性、合併症の発症が皆無ではないが、より正確な診断には欠かせないものであり、同時に治療への移行も可能な手技である。
 当病院では、同検査を年間1000件を超え、カテーテルを用いた治療(風船、ステント留置)も年間300件近く行っている。
 また、外来での最新式のCT検査(64チャンネル)により冠動脈狭窄度の判定が可能になってきており、今後、当院での同CTの導入がまたれる。

 
 

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