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高血圧症での薬の服み方

太田西ノ内病院 循環器科

 2次的な高血圧、原因の明らかな高血圧についてはそれに対処することは当然でありますし、本態性高血圧についても食塩制限、適度の運動、肥満の是正など非薬物療法が基本であります。そのうえで血圧のコントロールのつかない例には降圧剤を服用していただくことになります。

1.降圧剤の種類

 降圧利尿剤、中枢性降圧剤が比較的古く、最近になりβブロッカー、αブロッカー、Ca拮抗薬、さらにはACE阻害薬(アンギオテンシン変換酵素阻害薬)、AT1拮抗薬と種々の降圧剤を選択できるようになっており、以前に比べ血圧はコントロールし易くなっております。脳出血の予防についてははっきりした効果を上げていると結論されておりますが、その他の合併症について(とくに冠動脈疾患の予防)は降圧剤の種類により成績が異なり、臨床成績の集積の上に、よりよい薬剤を選択していく事が必要になります。

2.徐放剤

 以前は1日3回服用の降圧剤が多かったのですが、朝・夕2回、さらには最近では朝1回服用の降圧剤が中心となっております。きちんと服用していれば問題はありませんが、服用しなかった或いは出来なかった場合は、間隔の短い薬は服薬間隔が短すぎないように(短すぎれば服用しない)、間隔の長い薬は服んでいない事にきがついたらすぐ服用してもらう事にしています。

3.服薬の継続

 単に血圧が高いだけで外来通院を続け内服をきちんとし続けていくことはなかなか難しいことであります。良い薬であっても、服用していただかないことには話になりません。これがいちばん重要なことでありますが、どうしてきちんと血圧をコントロールしていかなければならないか認識して戴き、服薬を自己調節したり中断したりすることのないように説明、指導することに努めます。高齢者の場合には家族の協力を得ることが必要になります。

 
 

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