太田熱海病院
難病とは、一般に今の医学の力で根本的に治すのが難しい病気をいいます。昭和47年の厚生省「難病対策要項」によれば
@原因不明で、治療法が未確立であり、かつ後遺症を残す恐れが少なくない疾病
A経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず、介護などに著しく人手を要するために家庭の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾患
を「難病」としています。
難病の中で脳や神経を侵すものを「神経難病」といいます。手足の運動や感覚の麻痺をきたしたり、ふらつきがひどくて歩けなくなったり、重症になると呼吸する筋肉が麻痺して人工呼吸器の装着が必要となる場合もあります。このように神経難病では、重い後遺症を残すことが多いため、患者さんやご家族の療養生活は大変な不自由、困難に見舞われることになります。通院することさえ難しい場合や、長期の入院療養が必要になることもあります。
このため神経難病の多くは、平成26年に国が「難病の患者に対する医療費などに関する法律」に基づいて認定した指定難病に指定されています。患者さんは指定難病であることを各都道府県に申請すると、特定医療費として医療費助成を受けることができます。現在指定難病は331疾患ありますが、神経難病はその中の約1/4を占めており、具体的には筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、パーキンソン病、多系統萎縮症、多発性硬化症、重症筋無力症などがあります。
これまでは、神経難病と聞いただけで「不治の病」、「悲惨な病」と決めつけられていた感のあったこの分野も、近年大きく様変わりしました。医学の進歩、特に分子生物学や免疫学の進歩は病態解明に大きな手がかりを与え、それに伴い診断と治療法への開発へと着実につながっています。
難病だからといって絶望的な気持ちで毎日を送るという過去の療養生活から、現在は新しい治療法の情報をキャッチし、希望をもって生き抜く時代となっています。神経難病についての相談・診療は、で対応しています。
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