TOP>医学小知識>潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis;UC)
太田西ノ内病院 消化器科
主として粘膜を侵し、しばしばびらんや潰瘍を形成する大腸の瀰漫性非特異的炎症疾患である。
我が国の罹患率や有病率は急激に増加している。厚労省の特定疾患に指定されており7万人以上が登録されている。15歳〜30歳と若年層に発症のピークがみられる。遺伝的要因の関与は少ないと考えられる。私見であるが、インスタント食品、ファーストフード、コンビニ食品等の過剰摂取(動物性脂肪、食品添加物)が発症の大きな誘因となっている可能性がある。最近炎症性腸疾患研究班の調査でも証明されたようである。
慢性の粘血便を主訴とし、内視鏡検査や注腸X線検査で潰瘍性大腸炎の特徴的な所見を認め類縁疾患(クローン病、感染性腸炎etc.)が除外できれば確診できます。
罹患範囲、重症度により決定する。緩解導入療法と緩解維持療法とに分けて考える。サラゾピリン(座薬/内服)、ペンタサ(内服/注腸)、プレドニン(内服、注腸、注射)が主に用いられる。重傷例には、顆粒球除去療法(GCAP)や白血球除去療法(LCAP)、シクロスポリンやアザチオプリンなどの免疫抑制剤が使用される。内科的治療に反応しない場合は、結腸全摘がおこなわれる。
潰瘍性大腸炎は大腸がんのハイリスクで、10年以上罹患している方は特に注意が必要です。専門医による年1回の全大腸内視鏡検査を受けてください。
妊娠により病状が増悪する場合があります。薬物による胎児への影響は非常に少ない事がわかっています。主治医とよく相談しましょう。
太田西ノ内病院は、消化器病専門医、内視鏡専門医、大腸外科専門医がそろっておりすべての治療法が可能です。 |
![]() 潰瘍性大腸炎の活動期 |
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