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膵臓癌について

太田熱海病院 消化器科

 膵臓は胃の後ろ側にあります。その働きは消化液である膵液の分泌とインスリンなどのホルモンの分泌の二つに大別できます。
 膵臓癌は特有の症状が現われにくいため、早期発見は困難とされてきました。しかし最近は新しい検査法も開発され、早期発見の実績が上がっています。
 膵臓癌の症状として上腹部痛、食欲不振、体重減少などがありますが、いずれも膵臓癌特有の症状ではなく、見逃されがちですが、こういった症状が現われた場合には、膵臓の検査も受けるようにしたいものです。家族歴で糖尿病の人がなく、血糖が高い場合、あるいは糖尿病が急に悪化した場合にも膵臓癌を疑ってみるべきでしょう。
 膵臓癌も四十歳代から多くなり、喫煙者や動物性脂肪を多くとる人、膵石症の人などがかかりやすいです。
 膵臓癌が疑われる時は、まず血液検査でアミラーゼなどの消化酵素や腫瘍マーカーの検査を行い、癌の可能性をチェックします。そして腹部超音波検査で腫瘍や膵管拡張の有無を調べます。又、腹部CTや腹部MRIは鮮明な画像が得られ、小さい癌でも発見できます。さらに膵臓癌の精密検査が必要な時は、内視鏡的膵管造影、超音波内視鏡、膵管内視鏡などの検査方法があります。こういった精密検査で膵臓癌かどうかの診断を行います。
 膵臓癌の治療は、外科手術による患部の切除が基本です。手術に加えて、放射線療法や化学療法も効果的に併用する「集学的治療」も行われ治療効果が上がってきました。
 膵臓癌の早期発見には、自覚症状がなくても四十歳代になったら人間ドックなどを受けることをお勧めします。
 当院では膵臓癌を含めて膵臓病の診断、治療に対する設備を整えていますので、膵臓病については消化器外来を受診して下さい。

 
 

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