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概日リズムと睡眠の異常

太田西ノ内病院 呼吸器科(睡眠呼吸外来)

 概日リズム(サーカディアン・リズム)とは、地球の自転が24時間で一周するので、外界の現象も24時間を1周期として起こり、からだのリズムもそれに同調してほぼ24時間の律動的な動き
(体内時計)を示すことを指す。しかし、例えば体温は25時間の概日リズムを示すし、睡眠や覚醒のリズムには個体差が大きい。しかも、近代文明の進歩した社会では、夜でも不夜城のように明るい街や騒音、ジェット機の発達による時差の問題、産業での交替勤務(終夜労働)など、この概日リズムを狂わせる要因が増して、そのための睡眠障害が一つの文明病としてクローズアップされるようになった。
 この概日リズムの異常による睡眠障害は、時差症候群(ジェット・ラグ症候群)や交代性勤務睡眠障害のように、いわば短期的な問題と、持続性概日リズム睡眠障害とがあり、特に後者は、学童生徒の不登校など、さまざまな社会問題とも関連します。この持続性の障害のなかには、睡眠相遅延症候群、睡眠相前進症候群、非24時間睡眠覚醒症候群、不規則睡眠障害パターンなどの種類があります。例えば、比較的頻度の高い睡眠相遅延(後退)症候群は入眠と覚醒(出眠)の時間が、日に日に遅れていく病態です。非24時間睡眠覚醒症候群は、体内時計のリズムが毎日1〜2時間ずつ遅れていく病態です。
 こうした病態の診断には、ポリソムノグラフィーと呼ばれる睡眠中の連続的な生理機能検査が必要で、精神科と呼吸器内科などにまたがる病気です。疑わしい時には、その検査のできる当院総合睡眠医療センターにご相談ください。専門家による診断と治療が可能です。

 

 
 

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