太田西ノ内病院 内科
痛風とは、血中の尿酸の濃度が高くなり(高尿酸血症)結晶となって関節や腎臓等にたまり、関節炎、尿路結石、腎障害等を起す病気です。また、高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満という動脈硬化の危険因子を合併することが多く、放置しておくと全身が蝕まれていくことになります。典型的な痛風性関節炎で診断されることもありますが、最近は健康診断で痛風の症状が出る前に高尿酸血症(無症候性高尿酸血症)を指摘されることも多くなっています。痛風の症状のある方はもちろん、無症候性高尿酸血症のうちに適切な治療を開始することにより、高尿酸血症による障害を防ぐことができます。
まず第一に、正確な診断をつけることが大切です。このためには血中の尿酸の濃度を測定することになります。しかし、関節炎を起こしている時にはむしろ尿酸値が高くないこともあり、測定を繰り返すことが必要な場合もあります
急性痛風性関節炎を起したとき、尿酸を低下させる薬剤をまだ内服していない場合は、まず関節炎の治療を優先させます。そしてその後に血中尿酸値をコントロールしていきます。しかし、最も基本となるのは日常の食事療法です。その基本は、
@尿酸の前駆物質であるプリン体の過剰摂取の制限 | |
干物・肉類・大豆・貝類はプリン体が多く、穀物・野菜・果物は少ない | |
A節酒 | |
アルコールは、ビール中瓶1本、日本酒ならば1合まで | |
B1日の摂取エネルギーの適正化 | |
C水分の充分な摂取と尿のアルカリ化 | |
尿に尿酸が溶けやすくするために尿量を1日2リットル以上に保ち、尿のアルカリ化(薬剤、あるいは野菜、果物、穀類の摂取)を目指します |
これらのことにより高尿酸血症のコントロールのみならず、動脈硬化の危険因子の除去も可能となります。
高尿酸血症の指摘を受けた方は内科を受診し適切な指導を受けて下さい。関節炎を起こした方は、関節炎が治っても痛風が治ったわけではないので、適切な治療を続けて下さい。
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